恋愛4コマ

今も昔も変わらず,作品において”恋愛”は普遍的なテーマです.それは,4コマ漫画の世界でも同じこと.

恋愛を題材とした4コマ漫画は数多くありますが,ここではその中でも特に私の心に響いた作品を紹介します.

 

始めに申しておきますが,恋愛作品は人によって「合う/合わない」がはっきりする場合が多いと思います.

読者の恋愛観が作品とマッチし,読者が登場人物に共感できるかどうかによって評価が分かれるのでしょう.

このページで紹介する作品以外にも人気の高い恋愛4コマは数多くありますが,ここでは私の好みで紹介作品を選出しています.紹介順は,1巻の発売日が新しい順です.

すずなの恋 あづま笙子/3巻(完結)/竹書房

「…おかあさん あのね 私... 好きな男の子ができたよ」

 高校生のすずなは,小さい頃のいじめが原因で男性恐怖症になっていました.彼女はある日,ちょっとした事故で同じ高校の男子に怪我をさせてしまいます.最初はパニクりまくりのすずなでしたが,それから少しずつその男子との接点が増えていき,やがて友達と思える存在に変わっていきます... この作品の恋愛ストーリーは極めて王道です.だがそれがいい!「こういう恋愛4コマが読みたかったんだよ」という私の願望にどストライク!大満足です.メインキャラが良い子ばかりで,みんなに幸せになって欲しいと願いながら読んでいました.


おじょじょじょ クール教信者/4巻(完結)/竹書房

いえ… いえ… 言え… 言え… 言え  言え!

 転校してきた地獄巡さんは,超・高飛車なお嬢様.高慢な性格で周りを庶民呼ばわりし,すぐにクラスから孤立してしまいます.彼女の唯一の話し相手となったのは,同じクラスの無口な変人・川柳(カワヤナギ)君.川柳君は彼女にとって初めての友達,そして初恋相手に変わっていきます.二人の距離が近づく中,彼女は父親から婚約相手を薦められ... ラブコメの王道を行くストーリーながら,意外とこうした4コマ作品は今まで見られませんでした.川柳君を好きになっていく過程,そして告白直前のシーンに注目です!


キラキラ☆アキラ 曙はる/3巻(完結)/タイム 紹介ページ

「見てるだけ…   じゃヤだ」

 同じマンションに住むアキラと桃太郎は,幼馴染みで昔からの仲良し.高校生になった今でも無邪気なままのアキラに,桃太郎は密かに恋心を抱いていました.仲良しを通り越してもはやアツアツの二人には,ニヤニヤが止まりません.そんな二人とは対照的に,アキラに片思いする同級生の青島や,その青島に片思いする牧さんの切ない恋模様も進行していきます.個人的に本作のヒロインは,アキラではなくて牧さんだと思っています.作者の卓越した表現力にも注目して頂きたい作品です.


こうかふこうか 佐藤両々/4巻(完結)/竹書房

「……お嬢さん クーリングオフできますよ?」

 主人公の福沢幸花は,とにかくツイてないOL.その上同じ職場には”破壊神”の称号を持つ岩井がいて,幸花はいつも被害を受けていました.物語の序盤は幸花の不運っぷりをネタにした話がほとんどだったのですが,2巻で岩井が幸花に突然の告白.そこからラブコメがメインの展開になっていきます.幸花の同僚である鶴ちゃん&亀ちゃんなど,他の登場人物も魅力たっぷりです.読者の心に切り込むような鋭いセリフもあり,恋愛以外の部分でも読み応えのある作品です.


ぽすから 中村哲也/2巻(完結)/KR

「うん――― 遠回りじゃないから」

 美大を目指すために美術予備校に入った白樹は,読書好きの少女・茜と出会います.自分と近い雰囲気を感じ,茜を意識する白樹なのですが,白樹は恋に奥手.さらに茜は人との付き合いが苦手なのでした.最初は挨拶するにも一苦労だった二人ですが,仲間たちと同じ時間を過ごすうちに,二人の距離は少しずつ近づいていきます… 初々しい恋模様がとても眩しく感じられる,KRコミックスの中では随一と言っていい程の純愛物語です.


わ! 小島あきら/3巻(完結)/スクエニ

「俺の人生は俺のもんだ!! 勝手に決めるなああ!!!」

 高校生の男女7人は,それぞれ片思いをしていました.その片思いの矢印をつなげると7人の中でループし,片思いの”輪”ができ上がるのです.この輪の中では様々な勘違いが生まれ,ドタバタコメディーらしい賑やかな展開になっていきます.2巻終盤から3巻ではそれぞれのキャラクターに重要な出来事が起こり,片思いの輪が形を変えていきます.学園恋愛漫画としても楽しめますが,恋愛とは無関係の小ネタ的なギャグも面白いです.


がんばれ!メメ子ちゃん むんこ/4巻(完結)/竹書房

「愛されるのが当たり前のアンタにはわかんないわよ」

 花丸商事に入社したメメ子は憧れのOL生活をスタートさせたのですが,配属先のDTP部門はメメ子と岸田の二人だけ.そんな環境でメメ子は社会人の壁にぶつかりながらも,逞しく成長していきます.さらに,岸田に惚れた営業部の沢子や,オカマの亮ちゃんといった面々が加わった恋愛模様が繰り広げられます.作品全体としてはギャグテイストが中心ですが,シリアスなシーンと心に”ズガン”とくる重い言葉には胸を打たれます.「大丈夫 みんな幸せになります」.作者が2巻のあとがきで語った言葉が印象的でした.


HR ~ほーむ・るーむ~ 長月みそか/2巻(完結)/KR

「ま…まだ 泣く時じゃない」

 中学生の女子3人グループと男子3人グループは,それぞれ相手のメンバーに気になる人がいました.ただしその恋模様は単純ではなく,三角関係や勘違いをこじらせてしまいます.それぞれが思い悩む中,メンバーは高校に進学し,取り巻く環境や人間関係が変化していきます.この物語は,決して円満なハッピーエンドばかりにはなりません.その代わり,上手くいかない恋愛にもがく思春期のキャラクター達が,とても愛しく感じられる作品です.


B型H系 さんりようこ/9巻(完結)/集英社

「入ったよ!!」

 高校に入学した山田は,自他ともに認める美少女.ただしこれまで恋愛経験がなく,エッチな妄想に耽ってばかりでした.高校ではセフレ100人作ることを目標にするのですが,イケメンが相手だと自分が処女であることを馬鹿にされそうだと考えた山田は,まず平凡な男と初体験を済ませてしまおうと思い立ちます.そこで白羽の矢を立てたのは,クラスの非モテ男子,小須田.しかし,いつしか山田は小須田のことが本気で気になり始めて... お色気4コマでおなじみのさんりようこ先生が,ヤング誌で学園モノを描いてみたところ大ヒットし,アニメ化も果たしました.


あおいちゃんとヤマトくん 師走冬子/6巻(完結)/タイム

「何だそーいうのがいいのか?」

 大学生のあおいとヤマトは幼なじみ.子供の頃から仲が良く,今では同じ本屋でバイトをしています.二人の間柄は気の置けない悪友といったもので,バイト仲間達と共に楽しい日々を過ごしていました.しかしいつしかヤマトはあおいを女性として意識するようになり... 本作は全体的にドタバタコメディーがメインで,中盤まではさほどラブ成分が多くありません.しかし最終巻で物語はドキドキの急展開を迎えます.思春期を過ぎた大学生同士だからこそ,幼なじみラブコメがより現実的なものに感じられます.


…すぎなレボリューション 小池田マヤ/8巻(完結)/講談社

「一人前に男を傷つけといて まだ自分がかわいそうかね?」

 小太りで冴えないOL・倉井すぎなが処女喪失するシーンから,この物語は始まります.すぎなはその晩泥酔していたため,初めての相手を覚えていません.すぎなは相手の男を探すため,そして社内一のイケメン・日置正一に振り向いてもらうため,おしゃれな外見に変わります.そこからすぎなの周りでは混沌とした恋愛模様が進展していき,すぎなは更なる変身を遂げていくのです.大人のディープな恋愛を描いた作品で,この手のドラマが好きな方には特にオススメします.


僕のかわいい上司さま 小池田マヤ/5巻(完結)/タイム・双葉社

「はじめからあきらめている恋になんか妬いてあげないわ」

 オフィスの同じ課で働く,女性の上司と男性の部下との恋愛を描いた作品です.第1部では,一組のカップルがこっそり付き合う話ですが,作品のメインは第2部です.第2部では仲良し3人組の女性社員と3人の新入社員の話で,上司ー部下の関係から少しずつ恋愛が進行していきます.この作品で描かれるのは甘いだけの恋愛ではなく,お互いを尊敬し合うことが根底にある社会人の恋愛です.小池田先生の作品らしく,強く生きる女性キャラクターがとても魅力的に描かれています.


おまけ ~私の選ぶ最高の告白シーン~

Good Morning ティーチャー 重野なおき/14巻(完結)/竹書房

「ずっと好きだった ボクと付き合ってくれないか!!」

 7巻で,天才少年の上原が中学時代の同級生,水野に告白するシーンが最高に好きです.上原は中学時代,片思いをしていた水野に勉強を教えていました.上原は自分の志望校のランクを落としてまで水野と同じ高校に行こうとしたのですが,水野が入試に落ちてしまい,二人は別々の高校に進むことになるのです.その後は水野のことを諦めていた上原でしたが,障害が多くても好きな人を追い続けるクラスメートに触発され,水野に告白することを決意.彼女の通う高校に乗り込むのです... いつも冷めた顔をしていた上原が,こんな熱い男だったのかと驚かされます.彼を変えたのは,担任の東先生.告白の後に上原が東先生に感謝の言葉を述べるところまでを含め,本作最大の名場面だと思います.