作者:湖西晶
巻数:1巻(完結)
出版社:一迅社
掲載誌:まんが4コマKINGSぱれっと
発売日:2007/12/22
内容 |
「斎田くん 私… 死んでしもうたみたいなんよ…」 ヒロインがいきなりゾンビ化宣言するところから,この物語は始まります.
舞台は瀬戸内海の小さな島,「清涼島」.この島で商店を営むヒロインの早田沙和は,ある日心臓が止まったのに動けるゾンビ状態になっていました.沙和に思いを寄せる斎田光哉はこの事態を聞かされ,さらに沙和から「このことは二人だけの秘密にしてほしい」と頼まれます. その後しばらくは,沙和と斎田,沙和の妹なつめに診療所の面々を交えた賑やかな日々が,まるで何事もなかったかのように過ぎていきます.しかしこの平和な日々の裏には,もう一つ重大な秘密が隠されていたのです.その秘密とは?そして斎田の恋の行方は?? |
雑感 |
湖西晶先生といえば,代表作「かみさまのいうとおり!」で描かれるような,下ネタのイメージが強いのではないでしょうか?私がこの作品を古本屋で見かけた時も,きっと下ネタ満載なのだろうと思っていました.しかし,その内容は私の予想とは全く違っていました.沙和の体に起こった謎の異変を軸に,恋模様を絡めたストーリー仕立てになっており,伏線の張り方もお見事.ストーリーもテンポよく進んでいくので,ぐいぐいと引き込まれていきました.特に終盤の怒涛の展開には,ハラハラ・ドキドキが止まりませんでした.そして最後まで読み切った時には,ソーダを飲んだ後のような爽やかな読後感に浸れます. ちなみに,本作にも若干の下ネタはあります.本当に若干なので下ネタが苦手な人でも特に問題なく楽しめると思います. |
小ネタ | 本作に登場する人物は,名前が清涼飲料水に由来します.メインキャラの由来はわかりやすいですが,看護師2人の名前の由来に気づく人は少ないのでは?由来が分からない方も,検索すればすぐに分かりますよ. |
小ネタ2 | 「ソーダ屋のソーダさん。」は,ドラマCDの付いた特別版も発売されています.ドラマCDの内容は,本作のストーリーに深く関わるものではありません.短い内容ですが,声優さんがイメージにぴったりはまっている印象を受けました. |
小ネタ3 |
本作の後に「ソーダ村のソーダさん。」という作品が連載されました.登場キャラクターは同じでも,設定やストーリーが全く違う,いわゆるスター・システムを採用しています.「ソーダ村」も「ソーダ屋」と同じく1巻完結のストーリー漫画ですが,こちらはサスペンス作品となっており,話の内容もかなりシリアスです.簡単な内容を「一巻完結」のレポートで紹介しています. |
小ネタ4 |
湖西晶先生がぱれっとで連載した「うしのこくまいる! 」の2巻にも,早田沙和と同じ外見のキャラクターが少しだけ登場します. |
私が選ぶ ザ・ベスト |
1巻102ページ「絹一筋の」「光」 本作には名場面が多くどれも印象的なのですが,このシーンをベストに選んでみました.この場面では,それまで続いていた緊迫したムードから一気に開放され,嬉しさと安心感がこみ上げてきます. |
この作品が 好きなら! |
花と泳ぐ/口八丁ぐりぐら(タイム) ストーリーが一貫していて,ちょっとシリアスなところが似ています. |
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