作者:三笠山出月
巻数:2巻(完結)
出版社:エニックス/大都社
掲載誌:月刊少年ギャグ王
発売日:1995/12~1996/9
内容 |
破天荒な作者が描く,不条理ギャグ4コマです.メインキャラクターにはほとんど名前がなく,これといった設定もありません.また,4コマの1本1本が独立しているので,話のつながりもありません. 本作では4コマ漫画の常識にとらわれない試みが見られます.コマを長方形以外の形に変える,コマそのものを消す,4コマ目を読者に選ばせる,といったものです.また,コマ外に作者の落書きがあるのも特徴的です.落書きの内容は,単なるダジャレから作者が体験した面白いエピソード,さらには編集部への不満など様々です.エニックスの「お家騒動」時に描かれたことが影響し,後半では特に出版社や編集部に対する批判が強くなっていきます. 熱烈なファンが多く,連載終了後にはファンサイトから復刊を求める声が多く集められました.その結果,大都社から単行本未収録エピソードを含めた「蔵出し うめぼしの謎」が出版されたのです. |
雑感 |
この作品は,好みが分かれるタイプだと思います.本作の独特のギャグセンスがはまる人には大受けすると思いますが,そうでない人には『意味不明』で終わってしまうかもしれません.この独特のギャグは,言葉で上手く表現できません.本作を読むと,「笑いは理屈じゃない」ということが感じられます. ちなみにこの作者は連載開始当時まだ高校生でした.若いからこそ自由に描かせてもらえたのかもしれませんが,高校生でこれ程のハイセンスなギャグ漫画を描ける作者は天才だと思います. |
小ネタ | 本作はエニックスで2巻分が出版された後,大都社から完全版が出版されました.どちらもコマ外に書かれた作者の落書きを残しているのですが,完全版では落書きの一部が修正されています.修正された部分は,作者がエニックスを痛烈に批判している文章です.さすがに他社がこの文章を出すわけにはいかなかったのでしょう. |
私が選ぶ
ザ・ベスト |
2巻71ページ左
編集の飯田さんが登場するネタで,電話の会話だけで笑わせる秀逸な一本.常識にとらわれない先生だからこそ,こんな発想が生まれるのでしょう. |
この作品が 好きなら! |
フルパワーMONKEY/亜太川ふみひろ(集英社) |
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